FA1000S_θは自由空間伝播のレーザビームを非球面レンズを通した後に光ファイバに結合させるためのデバイスで、東京大学古澤明研究室の全面的なご協力の基に開発を行いました。このデバイスは２軸のθ調整機構を持ち、光ファイバの入射ポイントを球体の中心から動かすことなく直交する２方向の回転軸を独立に調整することが可能となっており、従来非常に困難であったアライメントが簡単に行えるようになり、長期間の安定性も保てるようになりました。構造は下記に示す通り、特殊加工技術により球体回転素子の中心に光ファイバの入射ポイントが一致するようになっているので、角度調整を行っても入射ポイントは全くと言って良いほど位置ズレを起こすことがありません。このユニークな機構は「球体ジンバル機構」と呼ばれ、東京大学と共同で特許取得済みです(特許第5888775号)。調整ネジは超高安定ミラーマウントMM1000Sで培ったバックラッシの非常に少ないファインピッチネジを使用し、調整後に高い保持力を得られる当社独自のソフトロック機構(特願2005-352867)を採用することにより、高い操作性と長期安定性を実現致しました。東京大学古澤明研究室ではFA1000S_θを下記評価用セットアップ概要図の条件下でアライメントを行った結果、結合効率を98%にまで高めることに成功致しました(2013年1月の時点)。

FA1000S_FPはバックラッシの非常に少ないFMD製超精密調整ネジを搭載しています。
左側の画像をご参照ください。
FA1000S_FPは、θ調整機構にFA1000S_θを搭載することとFMD製超精密調整ネジを搭載した直動ステージにより、比較的簡単な操作で光ファイバの高い結合効率を可能にします。
直動ステージ(レンズ用Y軸,ファイバー用XZ軸)は専用工具(SCR-ADJ)を使用することで、超微細な調整を行なうことが可能です。
光軸の高さは2インチに設計されています。
高さを変えたい場合は、ベースプレート下に4本の支柱を取り付けることで調整できます。
レンズの着脱は専用工具(SPW302_MOD)を使用します。
2本の専用アイリス(ID15/M_Hm25Tm6)は光軸高さを2インチの平行光調整し、ピンホール(PH016)を使用してレンズへの入光高を2インチに調整します